土井中照がお送りする「ミラクルワールド=愛媛」のご紹介です。
歴史や民俗、食材、郷土料理、名産品、パワースポット、県民性など、びっくりする情報をお届けします。

ポンジュースの秘密

ポンジュースの誕生

「愛媛の真面目なジュース」として知られる、柑橘飲料のポンジュース。この名前の由来はあまり知られていませんが、愛媛県知事が関係しています。

愛媛県青果農業協同組合連合会会長だった桐野忠兵衛氏は、果樹産業調査で渡米した際、オレンジジュースが普及していることを知り、製品化を決意します。規格外のミカンを活用すれば、ミカンの生産調整ができるとともに、一年を通じて価格変動の少ない供給が可能となる一石二鳥のアイデア。昭和27年(1952)にジュース生産をはじめました。

名前決定の経緯

販売にあたり、ジュースの名前を決めることになりました。当時はコピーライターという職業はなく、映画の宣伝フレーズを考える惹句師に依頼すると、「日本」の「ポン」から「ポンジュース」の案がでました。しかし、「ポン」は愛媛県の方言で「排泄物」の意味もあるため、この案は保留となっていたのです。

そこで、松山藩主の血筋をひく愛媛県知事・久松定武に名前の決定を委ねました。久松知事は、「ポン」は「ボンジュール」の「ボン」に語呂が似ているので良いと判断したというのです。『愛媛県青果連40年史』には、「ボンジュールからとったなどの説もあるが(中略)ニッポン一になるようにとの願いを託したネーミングだったのであろう」と記されています。「ポン」の商標は、福島県会津若松市の会津製氷冷蔵が持っていたものの、交渉の結果、昭和二十八年(一九五三)に商標権を共有することができました。

CMにかかわった市川準

「ポンジュース」は、「愛媛のまじめなジュースです」のコピーで知られています。このCMは、「禁煙パイポ」や「関西保安電気協会」などを演出した市川準氏の手によるもの。氏は、「つぐみ」「東京兄妹」などの映画監督として知られています。監督のオフィスには、電話待ち受け音楽に自分が担当した「ポンジュース」のCMソングがつかわれていたというのです。

水道ならぬ「ポン道」

現在はジュースやゼリーなど、さまざまな加工食品がポンブランドとして全国に出荷されています。愛媛県ではジュース管が家庭につながっていて、蛇口をひねると「ポンジュース」が出てくるとの噂も流布されていました。根も葉もないガセネタでしたが、松山空港や道後商店街のお店や愛媛県関係のイベントなどでは、ポンジュースの水道が登場するようになっています。