カマボコ・鉢盛料理・イリコ
食通でもあった獅子文六は南予のたべものを描写しています。
エソといふ魚で造る南伊予のカマボコは、日本のカマボコ界の王であり、(中略)エソの皮や筋で造ったこの皮竹輪は、カマボコ食ひの大通人をして満足させる、日本無比の超特作的逸品である、といふのである。
大きな鯛の浜焼らしきもの、カマボコや卵焼の口取りらしきもの、ウマ煮らしきもの、和へ物らしきもの、巻鮨らしきもの、ウドンらしきもの十数種に亘る食物が、同数の鉢に盛られてあるやうであった。(中略)それが、この地方の名物、鉢盛料理であった。
イリコというのは、関東地方の煮干し、関西地方のジャコのことである。イワシの小型のを、大釜で煮て、天日で乾燥する」「吸物、味噌汁、その他、一切のダシ用に供するからである。(中略)カツオブシほど、高級な味ではないが、ダシは強く、そして、値段が安い。一般家庭でも、安料理屋でも、これを、欠くことはできない。ことに、ウドン屋の如きは、イリコなしに、商売ができないほどである。 |