土井中照がお送りする「ミラクルワールド=愛媛」のご紹介です。
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愛媛人の陽気さは躁鬱質に由来する

クレッチマー説で県民性を論じた宮城音弥

昭和44年(1969)、宮城音弥氏は朝日新聞社から『日本人の性格』という本を出版しました。宮城は、東京工業大学心理学研究室の調査を基に、躁鬱質、分裂質、テンカン質に人間を分類するクレッチマー説によって県民性を論じました。

クレッチマーは20世紀に生きたドイツの心理学者で、体型による性格の違いを発見し、「分裂気質」・「循環(躁鬱)気質」・「粘着気質」の3つの特性に分類した性格論を展開したのです。太った人は躁鬱気質、痩せた人は分裂気質、筋肉質の人はてんかん気質というものです。ただ、これは面白い論だなーと、みんなが話題にしただけで、心理学の主流にはなりませんでした。

躁鬱気質は、社交的で親切、明朗で陽気、寡黙で不活発という3要素が入れ替わりながら表面化するといいます。一般的に周りとの協調を優先し、波風が立たないように振る舞います。
分裂気質は、一つのことに固着するかと思うと,急にそれから飛躍したりし,精神感受性は過敏と同時に鈍感なのが特徴です。一般に非社交的、無口で,生活態度は自閉の傾向があります。
てんかん気質は、熱中しやすく、几帳面、凝り性、秩序を好む性格です。

宮城は愛媛県と香川県を躁鬱質の地域と分類しました。躁鬱質は瀬戸内海沿岸、畿内、北陸、関東の一部に分布しています。高知県と徳島県の太平洋に面した地域は、分裂気質であると宮城は分類しています。

愛媛県民は躁鬱気質

宮城は躁鬱質の人間を「社交的、現実的で、他人との間に隔てをおかぬと同時に、愉快な気分の躁状態と憂鬱な気分の鬱状態をくりかえす」と規定し、四つの型に分類しました。

 ●朗らかで頭の回転が早く、でしゃばりで遠慮がなく、生き生きしている陽気型

 ●よく働き、仕事を楽しむ活動家型

 ●機嫌のよく、もの静かな温和型

 ●内向的で不安で憂鬱に傾くが、友人との交際を嫌うわけではない陰気型

愛媛は躁鬱質のほとんどすべてのタイプをみせ、これが東予、中予、南予の違いにつながると宮城は指摘します。東予は「活動家型」、中予は「温和型」「陰気型」、南予は「陽気型」に属するというのです。

東予人は物事に熱中し、強い義務感を持ち、徹底的に仕事をしますが、しばしば「がめつい」という評価を与えられるのが特徴。

中予人は俳句のような文化的活動をおこなうのに長け、高浜虚子は「温和型」となり、正岡子規は「活動型」に近い「温和型」になるそうです。

南予人は陽気、活発でユーモアに富みますが、黒潮沿岸の分裂質帯に近接しているため、まれに土佐に似た強気の性格となり、我の強い執念の人間がうまれるといいます。

俳句好きも躁鬱質だから

宮城は愛媛県で俳人を多く排出していることに触れ「一般に俳人には躁鬱質の傾向があり、人間関係がうまくゆくものが多い。温和な躁鬱質が俳人たる資格の一つであるならば、愛媛のこの地域に俳人が圧倒的に多いのは、たんに歴史的な偶然だけではない」と記しています。また、躁鬱質にはA型が多く、分裂質のO型が少ないのですが、躁鬱質の多い愛媛にもA型が多いと、その関係に言及しています。

おだやかで周りの人との協調関係を大切にする愛媛人は、宮城のいうとおり「躁鬱質」です。「躁」の強くなった状態が江戸時代に頻発した農民一揆であり、祭りでの喧嘩騒ぎなのかもしれません。チームワークの必要な野球関係者が愛媛人に多いのも「躁鬱質」の影響なのでしょうか。