海外のタルト
では、ポルトガルやスペインに、「タルト」のような菓子があるのでしょうか。ポルトガルには「トルタ・デ・ラランジャ」というお菓子が、オレンジの入ったロールケーキです。スペインには「ブラソ・デ・ヒターノ」があります。スポンジケーキでカスタードクリームやジャムを巻き込んだもの。仕上がりに、粉砂糖やジャムをつけるというのも「タルト」によく似ています。
スペインのカタルーニャ語では、曲がったことをトルトtort、トルタtortaといいます。菓子の名前を聞いた定行に対し、ポルトガルでは、ずばりロールケーキを意味します。「トルタ」が「タルト」となり、菓子の名となったのかもしれません。
南蛮菓子の流れを汲む菓子「タルト」が、愛媛県だけに残ったのは、「タルト」のつくり方が口伝として残され、松山以外の地域では真似できなかったということも考えられます。
愛媛県以外の地域では、餡入りロールケーキの商品名に「タルト」の名をつけることはできません。昭和29年(1954)、愛媛県菓子工業組合が商標権を取ったため、餡の入ったロールケーキを「タルト」と名のることができるのは、タルト部会の組合員店だけなのです。 |