土井中照がお送りする「ミラクルワールド=愛媛」のご紹介です。
歴史や民俗、食材、郷土料理、名産品、パワースポット、県民性など、びっくりする情報をお届けします。

いもたきの秘密2

愛媛各地の「いもたき」

「いもたき」は、大洲だけに留まらず、国領川、加茂川、中山川、重信川、小田川、奈良川など、県内各地の河原でも「いもたき」が行われています。特に、西条の加茂川で行われる「いもたき」会は、年間二十万人以上を集まる大規模なものとなっています。本家・大洲もうかうかとしていられません。

どのようなところで行われているかというと、野外でいもたきを肴に酒を飲んだり、コミュニケーションを深めるというのが最大の目的です。愛媛県内では南予を中心とした地域で行われることが多いのですが、地域の食材を取り入れたものになっています。
では、西から紹介していきましょう。

四国中央市の「土居のいもたき」は、関川の河川敷に並べられたテントの下で鍋を囲みます。3時間かけて鶏がらを煮込んだしょうゆベースのダシに、土居町産の里芋「伊予美人」、人参、ゴボウ、もやし、ネギといった野菜に、鶏肉、イカゲソなど、盛りだくさんの具材が入り、しめにはうどんを入れます。

新居浜市の「新居のいもだき」は、国領川の河川敷で行われます。里芋、鶏肉、ホタテ、もやし、しめじ、練り物、うどんなど14品種の具材を入れます。秘伝のタレとともに、具材の旨味が凝縮された鍋は、味が美味しいのはもちろん、ボリュームも満点です。

西条市の加茂川河川敷で行われる「西条いもたき」は、多くの人を集めるイベントに成長しています。西条市は水が豊富で、広範囲に湧き出る自噴水は、名水百選にも選ばれた、「うちぬき」と呼ばれる名水で作られたあっさり目の醤油味スープ。『とり貝』が入っているのが大きな特徴です。里芋やもやし、ネギなどの野菜に、こんにゃくや練り物など 11種類の具が入っています。締めにうどんや中華めんを入れて楽しむこともできます。

松山市の重信川に架かる出合橋の下の河川敷会場で行われる「出合のいもたき」は、約40年間にわたり続けられてきました。伊予名産「花かつを」と昆布・しいたけでとった、コクのあるだし汁に、里芋などの野菜や松山あげ、練り物など12種類の食材を使用。大きな特徴として、今出港で獲れた名産のタコが使用されています。

伊予市の五色浜海岸で行われているのが「五色浜のいもたき」です。地元の削り節やイリコを使ったあっさりダシでイモや野菜などを煮込みます。特筆できるのは、双海町特産のハモや中華麺が注文できること。中華麺だと、あっさりダシの昔懐かしい中華そばが楽しめます。

大洲のいもたきは、肱川の河原で行われます。いもたき会の元祖で、さといも、油揚げ、こんにゃく、しいたけ、鶏肉などの具材を、醤油ベースで煮込みます。大洲の料理屋や家庭では白玉団子を入れるところが多いようです。持ち込み自由なのも嬉しいところ。

宇和島市の「南楽園」で行われているのが、大洲産の里芋を使ったいもたきです。日本庭園で行われるいもたきは、竹灯篭の明かりに照らされてとても幻想的です。里いも、鶏団子、旬の野菜、こんにゃく、ゆで卵などの具材を使った風味豊かな味わいです。

鬼北町の奈良川河川敷で行われるのが「奈良川河川敷いもたき」です。鬼北町の特産であるキジ肉を使った肉団子、さといも、鶏肉、こんにゃく、たまご、あげ、ちくわがたっぷり。鬼北産の川ガニが入るメニューもあります。

里芋のうんちく

里芋は地下の塊茎(=イモ)を食用とします。原産地はインドからインドシナ半島にかけての地域で、「タロイモ」の一種。サトイモが日本に伝わったのは稲作のはじまりと同じ頃で、奈良・平安時代には重要な作物となりました。
私たちが食べているのは、茎の部分。茎が地中で肥大し、中央の大きな塊茎の「親イモ」から周囲に多くの子イモができます。葉は大きく、表面が滑らかで水をはじくため、子どもが傘代わりにして遊ぶこともあり、葉柄を「ズイキ」と呼んで食べる地域もあります。里芋の名前は、山にできる「ヤマノイモ」に対し、里にできるイモだから「サトイモ」となりました。「タイモ」「イエツイモ」ともいいます。

里芋は水分が多く、芋の中では一番エネルギーが低いといわれています。主成分はでんぷんとタンパク質。加熱すると、消化吸収がよくなります。ミネラルではカリウムが多く、高血圧を予防します。ビタミンB1が多いので、糖類をエネルギーに変えてくれます。

サトイモの粘りは、生活習慣病の予防に役立つガラクタンなどのさまざまな成分から構成されています。アクの成分はシュウ酸で、皮をむくときに手がかゆくなるのはそのためです。

オリジナルいもたきを作ろう

自然を眺めながらの「いもたき会」も乙なものですが、我が家の「いもたき」も、自分の気に入った食材を使ってオリジナルの「いもたき」が簡単に出来上がります。肝心なのは、美味しい里芋を使うこと。愛媛県なら「女早生」や「伊予美人」を使えば、間違いがありません。

我が家では、僕がいもたき専門の料理人となります。我が家のいもたきレシビを用意しましたので、ご覧ください。

ポイントは、先に野菜の具材を煮ておき、火の通りを均一にしておくことです。特に里芋はヌメリがありますから、必ず煮ておきましょう。

コンニャクは、我が家では味が染み込みやすくなるよう、手でちぎって使っています。煮る時間が短いと、味がしみず、独特の匂いが気になりますから、僕はコンニャクを前もって煮ておき、そこに醤油を垂らして味付けします。1分ほど醤油で炒めたらそこにカップ分の水を入れ、インスタント出汁を加えて煮ます。我が家では、嫁さんが肉を食べられないため、鶏肉は入っていません。それでも美味しく食べられます。

鍋の出汁に茹でておいた野菜類と、厚揚げ、ジャコ天を入れて15分ほど中火で煮ます。沸き立たないように気をつけましょう。
途中で火を止めておくと、冷える時に中まで味が染み通ります。

食べる時に温めて、刻みネギをかけたり、お好みで七味唐辛子をかけて、お召し上がりください。好みで「柚子胡椒」を使っても美味しくいただけます。