土井中照がお送りする「ミラクルワールド=愛媛」のご紹介です。
歴史や民俗、食材、郷土料理、名産品、パワースポット、県民性など、楽しい情報をお届けします。

愛媛のかんきつ

愛媛で生まれていない伊予柑

「伊予柑」は、もともと山口県萩の中村正路氏が発見した柑橘の突然変異種で「穴門(あなと)みかん」と呼ばれていました。松山で栽培するために、この苗を持ち帰ったのが持田の庄屋に生まれた三好保徳です。当時のお金で50円(現在の価格価値で500万円)というお金を出して、苗木を購入。この苗木は、継ぎ木されて、近隣の農家へ無償で配られました。三好は、伊予柑以外にもさまざまな果実栽培を行い、梨や桃、リンゴの栽培など果樹園芸の普及に尽力しています。三好はハイカラで、明治半ばに自転車を乗り回していたといいます。

最初は「伊予蜜柑」と呼ばれていましたが、「温州みかん」とまぎらわしいので「伊予柑」となりました。現在の主流は「宮内伊予柑」で、昭和30年頃、宮内義正氏の果樹園で枝変わりとして発見されました。従来の品種より二十日ほど早く熟し、皮が薄く実のつきが良いため、今では「伊予柑」といえば「宮内伊予柑」を指すようになっています。

現在、愛媛県の伊予柑生産量は全国1位。三好氏と宮内氏の尽力がなければ、「伊予柑」ならぬ「長州柑」や「萩柑」と呼ばれていたかもしれません。

紅コレクション

令和6年、愛媛県は「紅まどんな」「甘平」「紅プリンセス」を「紅コレクション」としてPRしていくと発表しました。

11月中旬からは紅まどんな。1月下旬からは甘平。そして今回の紅プリンセスは3月から。これら3品種を「紅コレクション」と命名し、継続的なPRを続けていくといいます。この3種類について説明していきましょう。

「紅まどんな」は、愛媛県果樹試験場で「南香」と「天草」を交配して開発され、平成17年3月に品種登録された新しい柑橘です。新品種(南香×天草)です。甘い果汁と香りが口いっぱいに広がりとてもジューシー。まるでゼリーのような味わいです。「紅まどんな」として販売されるためには、糖度10.5度以上、酸度1.2度以下のものに限定し、適正な温度管理や換気に注意した輸送するなど、デリケートな果皮を傷めないように細心の注意を払っています。

「甘平」は、平成3年に愛媛県果樹研究センターが「西之香」に「ポンカン」を交配して育成し、平成19年に品種登録されました。その名のとおり、甘くて平べったい形が特徴の愛媛県オリジナル品種です。薄い皮に種が無く、果肉は濃厚で甘くてジューシー。簡単に皮が剥け、シャキッとした食感が特徴です。

『紅プリンセス』は「紅まどんな」「甘平」を掛け合わせて生まれた新品種。紅まどんなの「ゼリーのような食感」と、甘平の「濃厚な甘味」という特徴を受け継いだ「プリンセス」として、
誰からも愛される存在になるようにとの、思いが込められています。

まだまだある愛媛の柑橘

12月上旬から1月中旬頃まで食べ頃なのが「瀬戸の晴れ姫」です。「はれひめ」といい、(「清見」×「オセオラ」)に宮川早生を交配させた、みかんとオレンジのいいとこどりの優良品種です。オレンジ風の香りとさっぱりした甘味で、簡単に皮が剥けて、中の袋(内皮)ごと食べられます。

3月から4月にかけて出荷されるのが「ブラッドオレンジ」。イタリア原産なのですが、愛媛でも種薄くされます。インパクトのある真っ赤な果皮と果実で、皮を剥くとびっくりされるのではないかと思います。血のような赤い色は、アントシアニンで、高い抗酸化作用、成人病予防、視力回復などに効果があります。タロッコとモロという2つの品種があり、カクテルやジュース、スイーツなどにも適しています。

2月上旬以降に出回るのがデコポンの高品位ブランド「蜜る」です。光センサー選果機により、糖度14度以上、酸度1度以下の果実のみを選んでいます。お届けする時期がや遅くなっているのは、高糖減酸栽培(木成完熟栽培)されているからです。同様に清見の最上品が「雫る」です。園地の選定と光センサー選果により上級品として基準をクリアした清美だけを選抜されています。

4月中旬から6月頃に収穫されるのが三瓶町の特産品「ニューサマーオレンジ」です。皮をむき、白皮をつけたまま食べる独特の食べ方が特徴です。初夏の時期に、さっぱりした味をお召し上がりください。