土井中照がお送りする「ミラクルワールド=愛媛」のご紹介です。
歴史や民俗、食材、郷土料理、名産品、パワースポット、県民性など、びっくりする情報をお届けします。

せんざんきとざんき

せんざんきとざんき

「せんざんき」は、今治地方の郷土食です。鶏の唐揚げではあるものの、作り方が独特であると地元の人々は自慢します。また、江戸時代から伝わるともいわれています。
前回でも書きましたが、「せんざんき」が有名になったのは、戦後、港町にあった「スター」という店で提供されたから。ご主人が満州へ行って作り方をならってきたといい、「せんざんち」と聞いたが言いにくいので「せんざんき」にしたというのです。

北海道に「ざんぎ」という料理があります。元々「鶏の唐揚げ」を指していましたが、「タコざんぎ」や「イカざんぎ」などの新しいメニューが続々登場。ポテトチップスの「ざんぎ味」も登場しています。

ちなみに、北海道でも、ざくざくと斬って調理することから「斬切り」、殺生をすることから「慚愧」などという根拠のない理由がいわれています。

ざんぎのルーツ

ざんぎのルーツを調べた人がその成果を10年ほど前の北海道新聞に発表しました。
それらによると、函館にある昭和12年創業の店「陶陶亭」が中国人のコックを雇い、鶏の唐揚げが名物料理になりました。そのコックは日本語が喋れなかったので日本人の弟子が料理名を聞いたところ、ザーチー料理が「ざんぎ」という名前になったというのです。そのコックは山東省出身で、なまりがあったのではないかと言われています。しかし、現在「陶陶亭」はなくなっています。

他のルーツ説では、釧路に昭和35年創業の「鳥松」という店があり、「ザーギー」の名前がいいにくいので「ざんぎ」としたといいます。ただ、タレには店店の工夫が施されているといい、「運」がつくように「ザンギ」と命名され、骨付き肉を揚げてソースをそえて出したのでした。このように、おいしいものは工夫されて地域に根付き、独自の文化と誇りが育っていくのです。

これらからもわかるように、中国料理の炸鶏=ザーチー(ザーギー、ジャージー等)なる「鶏の唐揚げ」をいいやすい名前に変えたのがはじまりでした。

今ではザンギをメニューに加えているお店も北海道にはたくさんあり、飲食店や家庭ごとに、独自の進化を遂げてきています。また、独自のタレの開発が進み、「ザンタレ」なるタレをかけて提供するスタイルも現在では定番となっています。また、釧路近海で取れる海産物を揚げたものを「○○ザンギ」と呼美、市民の間で親しまれています。

日本全国の唐揚げ

日本唐揚げ協会では、大分県中津市を「からあげの聖地」、お隣の宇佐市を「からあげ発祥の地」としています。

中津市には、たくさんの養鶏場があり、鶏肉を使った唐揚げへのこだわりが強いこの地方では、第二次世界大戦後、旧満州からの引き揚げ者が中国での食べ方を再現したといわれています。宇佐市は、四日市に日本初のからあげ専門店があったことから、大分からあげの元祖としています。
大分県は鶏の消費量が日本一。その中でも、宇佐市と中津市は、人口か少ないにもかかわらず、多くの唐揚げ専門店がひしめき合う「からあげ激戦区」となっています。味付けは少し甘めですが、消費量日本一らしく、多くの人人が皮揚げを買い求めます。

長崎には「ゴーレン」という唐揚げがあります。名前の由来は、ポルトガル語で鶏を意味する“ガリーニャ”からという説、インドネシア語で焼く・揚げるを意味する“ゴーレン”からという説がありますが、はっきりしません。これは卓袱(しっぽく)料理の一品として提供する店があります。作り方は鶏モモ肉を酒、醤油、砂糖、ショウガ、ネギなどを合わせたタレに漬け、片栗粉や薄力粉をまぶして揚げたものです。
 
愛知県名古屋市の「手羽先」は、唐揚げにした手羽先にタレを塗り、塩コショウやゴマをたっぷり振り掛けます。中華料理の「油淋鶏」をアレンジしたものですね。

宮崎県の「チキン南蛮」は、唐揚げにタルタルソースをかけたもの。地元宮崎では鶏肉の「ムネ」と「モモ」のどちらの部位を使うかで論争が起きているといいます。