土井中照がお送りする「ミラクルワールド=愛媛」のご紹介です。
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大山祇神社

大山祇神社は全国に知られるパワースポット 

瀬戸内海のほぼ中央、しまなみ海道と呼ばれる芸予諸島の中心部にある大三島は、瀬戸内海国立公園のなかでも景勝の地として知られます。その大三島に鎮座するのが大山祇神社です。大三島の西側・宮浦に位置し、日本総鎮守と呼ばれ、全国に一万社あまりの分社を持っています。

祭神はイザナギ・イザナミの子供で天照大神の兄神である大山積命です。天孫瓊々杵尊の皇妃として迎えられた木花開耶姫命の父にあたり、皇室第一の外戚として日本の建国に大功をあらわし、全国津々浦々にその分社が祀られています。山の神とも、「渡し」の神とも称され、平安時代に「日本総鎮守」の号を朝廷から頂いています。戦の神であり、多くの武士や軍人から尊崇されました。

神社は基本的に気の流れのよい場所に建てられます。島は海に囲まれているのでエネルギーが溜まりやすいと言われます。エネルギーの流れである「龍脈」が流れているところや「龍穴」があり、エネルギーに満ちた場所で、気の流れが強く、神様でなければコントロールしにくい場所でもあります。私たちでも、パワースポットに立つと、気分があらわれる感じがし、心や体が自然とリフレッシュしたと思うのです。

境内中央には樹齢約2,600年の神木である大楠が鎮座しています。これは「小千命御手植の楠」と呼ばれ、大山積大神の子孫「小千命」によって植えられたと伝わります。樹齢は2600年あまり。神社内の楠群は日本最古の原始林社叢の楠群として、昭和26年に国の天然記念物に指定されています。

国宝が多いのが、霊験あらたかな証

大山祇神社の宝物館には、「紫陽殿」・「国宝館」・「大三島海事博物館」(葉山記念館)があります。紫陽殿と国宝館には甲冑(鎧兜)・日本刀などが展示され、越智押領使(おちのおうりょうし)・「越智好方」(おちよしかた)の日本最古の大鎧や、河野一族、「源頼朝」・「源義経」の鎧、「大森盛長」(彦七)が所用した国宝「大太刀」などが展示されています。源氏・平氏をはじめ、数多くの武将が武運長久を祈ったことで知られ、国宝や重要文化財に指定されている甲冑(鎧兜)の約8割が集まっていると言われているほど、武具の収蔵・展示が充実している宝物館です。

また、サイクリングのメッカ・しまなみ海道らしく、ヘルメットにつける交通安全のお守りもあります。面白いのは、おみくじに凶が多いこと。浅草寺や厳島神社な考え、結果を受け入れて、神社にお参りして帰りましょう。

神への祈りを捧げるのは「一人相撲」か?

一人相撲といっても、実りのない物事に必死で取り組むことではありません。大山祇神社の神事となっている「一人相撲」は、春の「お田植祭」と秋の「新穀祭」で奉納されます。

相手が目に見えない神様だけに、力士には演技力が要求されます。稲の精霊とまわし姿の力士が三番勝負を行い、五穀豊穣を祈願するのです。力士が何もない場所に向かって「突き」「押し」「寄り」の技を見せ、あたかも押されているように顔を真っ赤にして、土俵上で頑張る姿は、役者顔負け。結局、二勝一敗で稲の精霊が勝つのがしきたりです。

柳田国男は『妖怪談義』で相撲を「力の根源を自分一個の内にあるものと信ぜずして、何か幸福なる機会に外から付与せられるもののごとく解していた。石を持ち挙げて見てその重さ軽さの感覚によって、願い事がかなうか否かを卜(ぼく)したと同様に、相撲は又神霊の加護援助が、いずれの側に厚いかを知らんとする方法の一つであった」と記しています。相撲はその年の吉凶を占う神事であり、神への畏敬の念を示す行事。そうした相撲の原型が、精霊と相撲を取って、その年の豊作を願うという大山祇神社の神事「一人相撲」なのです。